保険金殺人が起きているのになぜか発覚しないその理由とは?

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画像:生命保険に加入している人はどれくらい?|公益財団法人 生命保険文化センター

生命保険に加入している人数はどのくらいいるのか?この図は、生命保険文化センターの平成28年度「生活保障に関する調査」のデータ。これを見てわかるのは、日本の人口の約8割の人が生命保険に加入しているということである。

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日本では保険金殺人は発覚しにくい

日本では保険金殺人は発覚しにくい傾向にある。理由は司法解剖の在り方にある。

司法解剖とは、犯罪性のある死体またはその疑いのある死体の死因などを究明するために行われる解剖のことだ。 

引用:司法解剖 – Wikipedia

 

説明にあるように犯罪性の疑いのある死体しか司法解剖されないということは、連続不審死や明らかに怪しい場合以外は、保険金が掛けられ毒殺(青酸化合物)などで殺されたとしても、1人や2人程度では、まず発覚しないのではないのかということだ。保険金こそ掛けられていなかったが、その事実を示す例に2015年に京都、大阪で起きた後妻業の女の事件がある。

 

www.sankei.com

この容疑者の女(68才)の周辺では、計7人の男が亡くなっている。いずれも保険金目当てによるものではなく、遺産を狙った犯行だった。この事件がもしも死亡保険金の掛けられた犯行であったならば、もっと被害者は少なくて済んだと思われる。高齢化と共に、これからもっとこのような遺産を狙った後妻業の事件は増えてくるだろう。

 

ここからはあくまでもぼくの想像だが、仮にもし被害者が一人であれば青酸化合物を使用して毒殺し、死因が心疾患(心筋梗塞)で処理されることは、あり得ない話ではないと思った。過去の保険金殺人を見ると、犯人が逮捕されるケースは被害者が3~5人は出てこないと発覚しないことが多いからだ。そのへんのところが少し気になったので調べてみた。

死因と死亡数の推移

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参照:平成27年(2015)人口動態統計の年間推計|厚生労働省

このグラフは2003年~2015年にかけての死因と死亡数の推移だ。※数値は厚生労働省の人口動態統計の年間推計(2015年)から。注:2014年までは確定数、2015年は推計数である。

 

とくに注目したいのは赤色の心疾患の数だ。一番多い死因は悪性新生物(癌など)で、数値も年々増加傾向にあることがわかる。次に多い死因は、心疾患(心筋梗塞)だ。もう少し見やすく拡大してみた図は以下。

 

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参照:平成27年(2015)人口動態統計の年間推計|厚生労働省

このグラフは上の推移の2015年だけを抜き出したものだ。2015年の心疾患の推計数は、199,000人。(2015年だけでおよそ20万人もの人が、心疾患で亡くなっている計算)

保険金殺人が発覚しない理由

日本で保険金殺人が発覚しない理由は、法医学分野の貧弱性と青酸カリやトリカブトなどによる毒物で殺された遺体が心筋梗塞と診断され(行政解剖や司法解剖をしないとわからない)、荼毘されてしまっていることが原因なのである。

 

上のデータを見て思うことは、心疾患で亡くなった約20万人にうち、一体何人に死亡保険金が掛けられていたのかということである。一番始めに書いた、生命保険に加入している人数約8割と、心疾患で亡くなった人が約20万人。この中には発覚していないだけで、実は故意に殺された人たちも含まれているのかもしれない。

保険金殺人は1人だけならバレない?

これはぼくが最近読んだ小説に書いてあった完全犯罪である。それは多額の保険金ではなく、数千万円の規模の少額の死亡保険金を旦那や妻に掛けてから、何かしらの毒で殺した場合、つまり病死に見せかければ、犯行が発覚することはないのだという話である。ただし一つだけ条件がある。それは殺すのは一人だけに留めることだ。その小説にはまだ続きがあるのだが、、、それはまた今度にしよう。