びしょ濡れ女の後を追ってみた

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この前の台風の日にいつものように近所を徘徊していると、雨が降っているのに傘を差してない女が、颯爽と肩で風を切りながら歩いていた。ナウシカ?ぼくは強い女性を見ると風の谷のナウシカを思い出す。「誰が世界をこんな風にしてしまったのでしょう…」ナウシカは言う。「ナウシカさんはどうして雨が降っているのに傘を差さないのですか?」ぼくはナウシカを問い詰める。「びしょ濡れでも私は私だから。I’m OK!」と、唇が微かに動いたような、そんな気がした。

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びしょ濡れの女

ぼくはびしょ濡れの女の後を無意識に追っていた。濡れた後ろ髪からは、ほのかな石鹸の香りがする。風俗嬢?ぼくは石鹸の香りのする女性を見ると、全員風俗嬢だと決めつける癖がある。いけない、いけない、あんなにびしょ濡れで、清楚な楚々とした女性が、まさか汚らわしいチンコをジュポジュポしているとは考えられない。ぼくはぶるんと頭を振り、自分の汚らわしい勃起したチンコの位置をそっとずらした。男という生き物はチンポジをずらさないとすれ違う人に「あっあの人チンコ起ってるw」って思われてしまう生き物なのだ。そんなことは断じてぼくのプライドが許さない。絶対に、絶対にだ。

ぴちゃぴちゃ音を立てる女

チンコを定位置に収めていると、ぼくの僅か数メートル先を歩くびしょ濡れの女がぴちゃぴちゃ音を立て始めた。音に驚いて顔を上げると、女はでっかい水溜まりの上を踊るように跳ねていた。ああ、水溜まりの上を歩く音か。ぴちゃぴちゃ音の正体がわかって少し安堵した。ぼくには彼女の飛び跳ねる水溜まりが、錯覚だろうか。沖縄県にある漫湖に見えた。

 

そのときタクシーが突然!目の前に!危ない!ぼくは慌てて道端に寄る。バシャー、ピシャッ、水しぶきが顔面にかかりそうになった。くそっタクシーの野郎め!ぼくは睨みつつ走り去るタクシーのナンバーを確認した。あ 07-21。あっオナニイか、オナニー?。だったら顔にかけられてもしょうがないか。ぼくは変に納得した。

女の潮

顔射タクシーに気を取られてしまい、びしょ濡れの美女を見失ってしまった。ああ、なんてこった。ぼくは後悔。チンコも先ほどの元気をなくしてしまったのか、しょんぼりしている。一度通ると、我慢していたオシッコみたいに次々とタクシーが大きな漫湖の飛沫を上げる。ビシャービシャー。そのときにはぼくはすでに傘を投げ捨てた状態で、全身にかかる漫湖からの潮を浴びていた。一度濡れてしまえば同じだ。少ししょっぱいその潮は、さっきのびしょ濡れの美女からの贈り物なのだと、ぼくはそう思った。漫湖でぴちゃぴちゃ踊るびしょ濡れ美女。ありがとう。