パートナーと一緒にいる時間が長い男性ほど精子の数が少ない

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「エコ恋愛」婚の時代・リスクを避ける男と女(牛窪 恵・2009年)を読んだ。エロからエコへ。肉食から草食へ。バブル世代の親を持つ子どもたちは、車は危ない乗り物、地球環境に悪いものだと教わり、酔っぱらう父親を見て、こうは成りたくないと決意した。車離れに酒離れ。親の背中を見て育つとはこのことだ。

精子戦争

著書「精子戦争」によると、彼は同僚マーク・べリスと共に驚異の実験を行った。約100組のカップルにボランティア協力してもらい、なんとセックスで射精した後の精液を採取、それを顕微鏡で詳しく観察する、といった実験を続けたのだ。そこで出た結果が、次の通り。「パートナーと一緒にいる時間が長い男性ほど、精子の数が少ない」、だ。

 

ベイカー教授はこの結果を元に、次のような仮説を立てた。パートナーが他の男性に精子を注入されている可能性が低い(共有時間が長い)と精子数は少なくなり、逆に他の男性に精子を注入されている可能性が高い(共有時間が短い、あるいは離れている時間が長い)と、「他の男性の精子に勝たなければ」という本能から、男性が多くの精子を出す。これこそが、彼が「精子戦争」と呼んだ、男性の精子の本能。男性特有の競争意識の高さ。

出典:「エコ恋愛」婚の時代 94ページより

 

あくまで仮説だが、私はこれを読んで納得した。毎日顔を合わせるより、週3くらいが一番燃えるのだ。矛盾しているようだが、私個人は寂しがり屋なので一緒に住んでえっさほいさしたい方だ。

恋愛の賞味期限

長く一緒にいる男女の間には、安心感が生まれる一方で、恋愛のトキメキが持続しにくい。ドーパミンの大量放出に支えられる大恋愛は、賞味期限が3年。男性ホルモン・テストステロンが誘導する性的な肉食恋愛は、たった半年しかもたない。しかもその間、一緒にいる時間が長ければ長いほど、男性の精子は「精子戦争」を意識しなくなり、生殖本能が弱まり、おのずと癒し系のエコ恋愛に近づく。

出典:「エコ恋愛」婚の時代 97ページより

 

ドーパミンによる恋愛の賞味期限が3年。男性のテストステロンのよる恋愛の賞味期限は半年。私は妙に納得した。私が一番長く交際したのは6年。内5年間は同棲していた。4年目くらいから徐々にセックスレスになった。どうしてなのか自分でもわからなかった。別に性欲が無くなったわけではなく、オナニーは定期的に隠れてしていた。まさかその理由が精子戦争にあったとは。

エコ恋愛とは

本中で著者が何度も言っていた「エコ恋愛」はぜんぜん流行らなかった。エコ恋愛ってなに?エコとは、自然環境に優しいということだ。恋愛とは本来、車や服装、食事にプレゼントとお金をかけて楽しむものだった。恋愛ほど素晴らしいものはないが、同時に恋愛ほど無駄なものもないのだ。時間とお金の無駄。結婚すればまだしも、別れれば、その恋愛に費やした膨大な時間と金が水泡に帰す。そのことに気付いた一部の若者がエコな恋愛を希望している。しかし結果はいつも同じような家デートでは刺激が足りなくなり、結局は外に遊びに行って散財することになる。

 

私は今、エコでもエロでもいいのでデートがしたい。したいしたい病なのだ。だが、最近めっきり性欲が無くなってしまった。なぜだろうか。ストレスか。理由はわかっていない。たぶん体の中で何かの戦争が起きている可能性はある。今度近くのクリニックで診察してもらうとしよう。病名はたぶん、働いてないのでお金の数が少ない病だ。バカと無職につける薬はない、そういうことだ。