虫嫌いな都会人と虫のような人間
画像参照:あとらそふと
東京や都会に住む人間は虫が嫌いである。あの得体のしれない長い足や触覚や黒光りする背中に人は恐怖する。ブーンという羽の音にも嫌悪感を抱くだろう。虫のことを小さな悪魔だという人もいる。
ぼくは自分の妹が大変な虫嫌いであったため、虫嫌いな人間とは何たるかを普通の人よりかは熟知しているつもりである。ちなみに個人としても虫はあまり好きではない。
虫嫌いとファーブル
東京に住む同じ人間として、都会の虫嫌いの人に言いたい。ぼくが小学生のころに読んだファーブル昆虫記のファーブルさんに、いや、ファーブル先生に失礼ではないか、と、内容は忘れたが、アマゾンのカスタマーレビューを見る限り、大変素晴らしい本だと皆さん口をそろえて評価しておられる。
読んでほしいとは言えないが(ぼくが読んでないので)、虫を毛嫌いする前に一読してみてはいかがだろうか。(全10巻)
田舎の人も虫が嫌い
田舎の人間は虫に慣れていると一般的に思われているが、田舎でも虫が嫌いな人だっている。それでも都会の人と比べると圧倒的に虫と接触する機会が多いため、慣れているというよりは、見慣れているだけだ。見慣れていても触ることはできないし、気持ちが悪いことには変わりない。妹がそうであるように。
虫が嫌われる理由
虫が人間に嫌われる最大の理由は、動きと音の2点にあると考えられる。とくに虫を見慣れていない都会人は、ひとたび自分の前に虫が姿を現したとき、相手がどういった動きをするのかが予測できないので、気味が悪い感じがするし、気色悪く感じる。
それは人は自分のあまり知らないものに対して、警戒心や不安感を感じる生き物であるからだ。道端にいる変なおじさんと同じように、いきなり奇声を発したり変な動きをする人を普通の人は避けようとする。できるだけ関わらないようにする。それが賢明なことであると信じているし、本能がそうさせているからだろう。
虫のような人間
あなたは虫のような人間に出会ったことがあるだろうか。
ここで言う虫とは、皮膚が硬く、キーキーと鳴き、足が八本もあるような昆虫人間のことではない。もちろん仮面ライダーのことでもない。
自分の殻に閉じこもり、自分のテリトリー(部屋)に無断で入ろうものなら、暴言を吐き、ときには声ともならない叫びでもって相手(親や家族)を威嚇し、それでいて傷つきやすく、繊細な神経が八本も外に飛び出しているような人間のことである。
一度こうなってしまったら、部屋(殻)から引きずり出すのは容易ではない。一度、虫になってしまった、変化、変態してしまった人間を再び正常な人間に戻すことは難しい。それとも正常と異常とを区別している、決めている、人間が認識しているこの世界は、虫たちから見たらどう映っているのだろうか。
有名な本に胡蝶の夢という話がある。その男はときどき自分が蝶になった夢を見る。大きな羽を優雅にはばたかせ、花の蜜を吸う。うーんうまい。と思ったかどうかは分からないが、たぶんうまかったに違いない。そして夢から覚めた男が思うこと、それは私が蝶になる夢を見ていたのか、蝶が私になる夢を見ていたのか、本当はわからないってことなのだ。
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