野良猫が死んだ

あの野良猫がもう数か月もの間、所定の場所にいない。いないというのは死んだのだ。

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野良猫が死んだ

数か月前に撮った猫の写真

その野良猫は私が沖縄に来て初めて写真に収めた猫だった。人に慣れているようで私が近づいても動じない猫だった。よく猫にエサを与えないでくださいと書かれた看板の横で寝ていた。猫として生まれ育った、野良人生。もしかしたら元は飼い猫だったのかもしれない。彼は猫として生き、幸せだったのだろうか。私はそんな彼を数か月見ていない。

野良猫が一匹死ぬ。たったそれだけのこと。私が自宅からスーパーへ行くまでの道のり、いつも彼のいた坂道を通ると思い出す。いつも坂道にある駐車場にいた。痩せていて手には傷があった。エサを与えている人もいた。私はよく彼に話しかけた。男に興味がないのか、無愛想だった。

私の中で彼はまだ生きているのだと思う。あの坂道を通るたびに、ふと駐車場を見てしまう。そこにいるような気がして探してしまう自分がいるのだ。