40代、一度でも貧困層に落ちると這い上がれない

2020年6月6日

私は職業訓練校に通っている。隣席の人が私より1コ上の40才の人だ。その人とよく話をしている中で、いつも話題になるのはやはり就職の話だ。

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40代、一度でも貧困層に落ちると這い上がれない

職業訓練校では電子回路の学習をしている。画像にあるような電子回路を作っている。

職業訓練校に来る人は当然、皆無職である。20代の若い人が半数以上だ。私のような冗談では済まない年代に突入すると、話はどうしても暗い話になっていく。隣席の人とは話が合う。共に東京に上京していたときの話や、バイト先での話などで盛り上がった。

話を聞くとコンビニや飲食店での仕事が長いらしく、今も職業訓練校に通う傍ら、週一でファミレスのバイトしていると言っていた。そのバイトのシフトが遅番勤務できついらしく、土日の休みが疲労のためあまり勉強が捗らないと言っていた。本人はファミレスを辞めたがっていて、社員になることは嫌だと言う。理由はファミレスの社員は実働10時間以上しないといけないらしく、体力的にも精神的にも給料面でも厳しいらしい。だからプログラマーになってキャリアに繋がる仕事がしたい、いつまでも何のスキルもつかない接客業をやっていても歳を取れば取る程、生活が困窮してくる、このままでは結婚もできないと、悲壮感を裏目に冗談交じりに私に話すのだった。

私が39才、彼が40才。どちらも講師よりも年齢的に上になる。その二人がまるで中学生にでも戻ったかのように、無邪気に電子回路を試行錯誤しながら作る様は滑稽である。ははは、もう笑うしかない。お金がないのでパソコンすら買えず、低賃金労働者として20代30代を過ごしてしまったツケはあまりにも大きい。自業自得といってしまえば楽だろう。しかし、私を含め、昭和50年代生まれ世代は非正規労働者としてフリーターをしていた人が少なくない。とくに高卒などの低学歴はその傾向が顕著である。もはや電子回路を設計するよりも人生の回路がショートしてしまっていて、赤ランプ点灯、破滅アラートが鳴り響いているのだ。授業中、講師の先生がLEDランプが燃え尽きてしまう様子を失敗例として再現してくれたが、LEDが死んだと表現された使えなくなった真っ黒く焼け焦げたLEDを見ながら、悲しいかな今の自分と重ねてしまうのだった。