裏DVD製造の仕事
前にもちょくちょく書いているが、コメントをいただいたので改めて書いてみたいと思う。
裏DVD製造の仕事
今回は裏DVD製造の業務内容ではなく、待遇面を主に書こうと思う。
私が裏DVDの仕事を始めたのは今から7～8年前、きっかけは東スポの求人だった。裏DVD製造と言っても2種類あって歌舞伎町などに店舗を構えるオーソドックスなタイプと、ネット販売のみの通販タイプだ。私が勤めたのは後者の通販タイプだった。
私は裏DVD製造の末端作業員だった。そこには３つ歳上の上司がいた。これは私の勝手な推測だが、上司の給料は恐らく月40万円前後。私たち作業員2人をまとめていた人は、作業場にたまに顔出すくらいで月100万円以上は貰っていたと思う。もちろん日によって売り上げが変動するため月給も20～30万は手取り額が上下していたと思う。
勤務時間は曖昧で大体10時～11時くらいに出社して14時～遅くとも17時頃には退社となる。出社退社といってもマンションの一室なので会社という感じは一切ない。休みは週一休み。基本給は日払いで1万円。当たり前だが源泉所得税などの天引きはない。あと相方さんが休みの時は一人勤務で歩合が付いて、だいたい日当1万2千円～1万5千円になった。始めて半年もすると作業にも慣れ、6時間以上かかっていた作業も4時間程度で終われるようになり、時給換算すると時給2500円くらいになった。
同じ場所でやっていると警察に捕まるリスクが上がるため、定期的に引っ越しをした。引っ越し作業も私たちで行った。勤めた2年間で2回引っ越しをした。最後は人員削減のため私はクビを切られた。その後、1年余りで警察の手入れが入り、残った上司とまとめ役の2人はおよそ1ヵ月の拘留と裁判で大変だったと、後に話を聞いた。
個人的な感想としては当時を振り返ると羽振りも良く、良い暮らしができたと思う。月30万円ほど手にしていたので今から考えると贅沢な暮らしができた。しかし不思議なことにその当時稼いだお金は今手元に一銭も残っていない。悪銭身に付かずではないが、やはり楽して稼いだお金は残らないのだと悟った。
後にも先にも、この仕事以上に楽して稼げた仕事はない。遅刻や早上がりにも厳しくなく。ガミガミ怒る人間もいない。まとめ役の人には池袋に飲みに連れて行ってもらい、昔話をたくさん聞かせてもらった。昔はもっと何倍も稼げたようで私は純粋にいいなと思った。懐かしい思い出である。