金がないから耐えるしかない

金もなければ自由もない。人生の牢獄。懲役一生。金がないというのは男のプライドをズタズタにする。

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金がないから耐えるしかない

思えば、10代の頃から高校中退して土木作業員を始め、金がないからと耐えるばかりの人生だった。40歳になり、まだ同じことを繰り返してばかりの自分に腹が立つ。若い頃から何も学んでいないのだ。10代から成長してないともいえる。

今に見てろよ。と自分を鼓舞した20代。転職を繰り返し、家賃を払うだけで精一杯だった。いつか裕福になれることを夢見て、努力を重ねた。しかしその努力が水泡と化した。いい加減にしろよ。もう貧乏は沢山だ。30代も後半にさしかかり、気分的には生きるか死ぬかの戦争でも何でもやりたいくらい切羽詰まった。まともな学歴も職歴もなく、唯一のセーフティネットである東スポ求人も激減。自業自得。自己責任。自意識過剰。世間に負け、貧乏に負けた。それじゃ男としてあまりにも情けなさすぎるではないか。そう思った。

金さえあれば自分の好きな所に住める。金さえあれば好きなものが食べれる。金さえあれば、いい車に乗り、いい女と遊べる。

私が19歳のとき、上京してはじめて働いた八王子のキャバクラチェーンの当時、社長だった男は私に言った。「いい車乗って、いい女抱きたいなら、水商売だ」と、私はその言葉を信じ、半年間しゃにむに働いた。結果、店は倒産した。数ヵ月後、店はキャバクラからフィリピンパブになった。私は職を失った。そして19歳の冬を迎えた。こうして私の10代最後の夏は終わった。それから私はフィリピンパブが嫌いになった。八王子という町も嫌いになった。私はあの頃から何も変わっていないのかもしれない。そう思った。