別居した

昨日から妻と別居をはじめた。

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別居した

別居をはじめて、久しぶりに一人暮らしの解放感を味わっている。しかし金がないのは相変わらずで、来月15日の給料日まで手持ちの資金で何とか凌ぐことになる。もう物は買えない。贅沢はできない。仕事終わりに缶ビールと泡盛の水割りを数杯飲むので精一杯だ。妻には別居前にお金を貸して欲しいと言った。だが、断られた。クレジットカードも返してくれと言われたが、そこは何とか死守した。手持ちもない、クレカもないでは酒も飲めない。酒が唯一の楽しみなのだ。

金がないので実家の母親に連絡を入れた。母親はバイト中らしく電話に出なかった。折り返しの電話があったが出る気になれず、また今度連絡するとメールを打った。ついでに妹にも電話した。同じく出なかったので、母親と同じようにまた今度連絡するとメールした。できれば10万円ほど貸して欲しかった。でも言い出せなかった。近年、そう言った詐欺も流行っている。幸い母親はまだオレオレ詐欺には騙されていない。母親に連絡してどこどこ口座に金を振り込んでくれと懇願したら、いくらかは振り込んでくれると思う。でも貧乏人の息子が貧乏人の母親にオレオレ詐欺を働いても意味がない。母親の貯金はほとんどなく、山梨の片田舎で月のバイト代10万円ほどで生活している。古びた団地で細々と暮らしているのだ。

振り込め詐欺と似たことを、実の息子が実際にやるのは情けなさ過ぎる。情けないを通り越して、悲しい。悲しいを通り越して、生まれてきたことを後悔する。これでは死んでも死にきれない。

給料日まであと3週間。金がないからどこにも出かけられない。だから家で小説でも読もうと思う。汚いからとブックオフが買い取ってくれなかった本。レイモンド・チャンドラーの長いお別れ。私も作中に登場するハードボイルドな主人公のように暴漢を打ちのめし、かっこつけたかった。そういうかっこいい男になりたかった。だが、いつの間にか情けない、女に金をせびるような男になり下がってしまった。本当に情けない男に、なり下がってしまったのだ。